オンライン診療を行ううえで大切なこと
情報通信技術の発展に伴い、デジタル機器を用いたオンライン診療がますます普及していくことが予想されます。さらに医師の偏在についても議論が続けられている今、このオンライン診療が医師の少ない地域に対し有用性があると考えられています。
ただ、このオンライン診療が必要に応じて有効にかつ安全に進められていくためには、基本理念やルールを再認識することが欠かせません。まず重要なのが、守秘義務の厳守です。オンライン診療でなくてもこれは基本といえます。
オンライン診療は手軽である分、その認識が甘くなってしまう可能性があります。どんな場面でも徹底的に守秘義務を守り、相互の信頼関係を築く必要があります。
同時に、オンライン診療における診療は全て医師が責任を負います。診断、治療はもちろんですが、ここには医療情報の漏洩、改ざんも含まれます。電子機器を用いているため、情報の管理には細心の注意を払わなければなりません。
それに加え、オンライン診療が対面診療と同様の質に値するかどうかの評価も行う必要があります。オンライン診療の限界を感じた場合には、対面診療にすぐに切り替えることが大事です。オンライン診療の医療を適用できるかどうかは、実際にやってみなければわかりません。そのため、前もってその可能性があることを患者に伝えておき、すぐに対面に切り替えられる環境を整備しておきましょう。
いかなるときも、診療時にはエビデンスに基づいた、安全かつ有効な医療が提供されなくてはいけません。特にオンライン診療の場合、患者から得られる情報は限られてくるため、常に安全性が確立されているかを判断するようにしましょう。